糖尿病
糖尿病は21世紀の国民病と言われていますが、多くの方々がその危険に気づいていません。糖尿病とは、慢性的に続く高血糖を中心とした代謝異常と、細小血管障害、大血管障害といった一連の合併症が個体において発生する疾患のことを言います。
血糖が高まることによって尿中に糖が排出されることから糖尿病と名付けられました。しかし、尿中に糖が排出されることよりも、糖が利用できないことによって起こる細胞レベルでの飢餓による糖尿病性昏睡や持続的な高血糖からくる慢性合併症が深刻な問題となっています。
日本の糖尿病患者の数は戦後増加の一途をたどり、平成14年糖尿病実態調査においては糖尿病が強く疑われる人(現在治療中の人を含む)が約740万人と推定されました。さらに、糖尿病の可能性を否定できない人も合わせれば、約1,620万人に上ります。つまり、成人の6人に1人が糖尿病か糖尿病予備軍ということになります。
糖尿病性腎症が原因で人工透析を始める人は、平成12年人口動態統計によれば年間1万人以上、糖尿病が原因の視覚障害の発生も年間約3,000人もいます。早期に適切な治療を行わないと「合併症」と呼ばれる深刻な症状を誘発し、治療の遅れからそれが原因で死亡したり、大変な事態に陥る恐れがあります。
「ガン」、「心臓病」、「脳卒中」は三大生活習慣病と呼ばれ、日本人の死亡原因のワースト3を占めています。しかし、注目すべきなのは死亡原因の2位と3位に位置する心臓病と脳卒中が糖尿病が発症した後に併発しているケースが多いということです。詳しい統計は依然として出ておりませんが、糖尿病が実質的に日本人の死亡原因の第1位と考える研究者は少なくありません。
糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病に大別されます。
1型糖尿病は、インスリンの絶対量が不足するタイプです。10~18歳の若者に発症することが多いことから、若年性糖尿病とも呼ばれます。1型糖尿病は、風邪のような症状を患ってしばらくしてから尿の量が多くなる、のどが乾く、全身がだるくなるなどの症状が発生するケースが多く、放置しておくと糖尿病性昏睡を起こすことから注意が必要です。
2型糖尿病は、インスリンの出が悪くて量が不足気味だったり、その作用が低下しているタイプです。日本人の糖尿病患者のほとんどはこの2型糖尿病で、一般的に糖尿病と言えばこの2型糖尿病を指すことになります。日本人の2型糖尿病患者にみられる特徴としては、本来は食後直後に起こるインスリンの分泌が遅れるといったようにタイミングよく行われないこと、インスリンの効きかたが悪いことが挙げられます。



